参加型の「座学講習会」で交通事故削減へ
現状にあわせたカスタマイズ講習で従業員の安全意識が向上

(左から右)事業推進本部 吉田様 / 経営管理本部 井原様 / 安全推進室 山中様 奥田様

株式会社アサノ大成基礎エンジニアリング

事業内容 土質・地質調査、地盤解析・設計、地下水調査、地盤防災、対策設計、土木構造物の定期点検、変状・劣化調査、補修設計、耐震診断、補強設計、リノベーション、さく井工事・温泉開発、土壌汚染・地下水汚染の調査・対策、建設工事、再生可能エネルギー
設立 1962年11月13日
従業員数 311名(2021年9月末現在)
導入台数 51~100台
URL https://www.atk-eng.jp/

導入前課題

・運転歴の浅い20代前半と、65歳以上の高年齢層の車両事故が増加
・事故防止の講演はしていたが、安全運転が徹底されていなかった
・講習会が退屈で、受講者の身につかなかった

導入効果

・オンライン座学講習会で、従業員の意識がアップし事故が削減
・カスタマイズした講習内容のため、身近な問題として真剣に受講
・クイズ形式など参加型講習で「とても参考になった」との声

株式会社アサノ大成基礎エンジニアリングは、土木・建築の分野で、計画・調査・設計・施工・維持管理とあらゆるサービスをワンストップで提供する総合エンジニアリング企業です。また、地震や豪雨、土砂崩れなどの災害発生時の緊急対応や、そうした災害を予見し防ぐ技術の開発にも、同社は取り組んでいます。

地質調査などさまざまな現場でトヨタ車が活躍している一方で、課題となっていたのは車両事故の増加です。特に65歳以上の高年齢層と、運転歴の浅い20代前半の若年層の事故が目立ちました。そこでトヨタモビリティサービス(以下、TMS)が提案したのが、安全運転に関する「座学講習会」です。

どのような経緯で座学講習会が開催されたのか。またその内容はどのようなものか。事業推進本部の吉田様、安全推進室の山中様、講習会を担当した奥田様、実際に講習会を受講した河西様、そして同社の車両管理を担当する経理管理本部の井原様に話を聞きました。

20代前半と65歳以上の車両事故増加が課題に

事業推進本部 本部長 吉田様

事業推進本部 本部長 吉田様

──貴社の事業内容について教えてください。

事業推進本部 本部長 吉田様(以下、吉田様):当社は、50年以上の歴史を持つ大成基礎設計株式会社と株式会社アサノ建工が合併し、2011年に誕生しました。地盤・地下水・建物に関するコンサルティングから、調査・分析・設計・施工・メンテナンスまでのトータルソリューションをご提供する総合エンジニアリング企業です。

具体的には、土木ワンストップ、建築ワンストップ、インフラ保全ワンストップという3つのワンストップサービスをご提供できるのが当社の強みです。例えば建物を建て替えるさいにも、耐震診断、解体工事、土壌汚染調査、地質・地下水調査、建築の設計、施工と多くの業務が発生しますが、これらをすべて、当社が一括で対応可能です。

──貴社ビジネスにおける、TMSのサービスの役割についてお聞かせください。

当社は全国に支社や営業所などの数十の拠点がありますが、そこに配置された社用車の多くはトヨタ車です。当社は現場に出向くことが頻繁であり、例えば、東京にある地質調査の事業部が、現場に出向いて地質をサンプリングして持ち帰る際などに、ステーションワゴンタイプの車を利用しています。

加えて今期は、車両事故軽減活動の一環として、安全運転に関する「座学講習会」をTMSさんに実施していただいたことがトピックです。昨期、運転歴の浅い20代前半と、65歳以上の高年齢層の車両事故が多かったことを受け、対策に頭を悩ませていたところに、TMSさんからご提案がありました。

コロナ禍ということでオンラインでの実施だったのですが、受講した従業員の反応もよく、来期以降もぜひ実施をと考えています。特に若い世代は、先輩社員たちから昔ながらの指導を受けるより、動画を通じて指導を受けるほうが、学びがスムーズな面もあるかもしれません。いずれにせよ、従業員が万全の状態で現場に迎えるようこれからもTMSさんにご協力をいただきたいと思っています。

座学講習会を開催するに至った背景や講習の内容については、安全推進室の山中、座学講習会を実際に担当した奥田、また受講者の1人である河西からも説明します。

事故の発生状況をもとに講習内容をカスタマイズ

経営管理本部 安全推進室 室長 山中様

経営管理本部 安全推進室 室長 山中様

経営管理本部 安全推進室 室長 山中様(以下、山中様):われわれ安全推進室はこれまで、安全管理計画書や、当社独自の「安全手帳」を作成して従業員に配るなどして、現場の事故削減に努めてきました。ところが昨期は、例年に比べて車両事故が多く、特に若年層と高年齢層の事故が目立ちました。

もちろん、これまで安全対策をしていなかったわけではありません。事故が起きれば他の部署とも情報を共有して再発防止に生かしていますし、地域の警察署と労働基準監督署にお願いをして交通事故防止や現場事故防止の講演をしていただいたこともあります。それでも安全運転が徹底されていない現状が明らかになってしまいました。そんな折に、TMSさんからご提案いただいたのが座学講習会です。

はじめに過去実施された講習会の内容を見せていただいたときは、どの会社においても役立つものであると感じた一方で、「少し一般的すぎるかもしれない」という感想を持ちました。

しかし、その後のやりとりのなかで、特に重点を置いていただきたい部分をご相談したところ、まさしく当社の現場に即した内容にカスタマイズしてくださった。おかげで講習会を受けた従業員たちも、自分たちにとって身近な問題として真剣に受け止めることができたようです。

──TMSに対する新しいご要望はありますか。

今後は年齢層を限定せず、従業員全体を対象に交通安全教育を徹底していきたいと考えているのですが、TMSさんには座学講習会以外の面でもご協力いただけるとありがたいです。

例えば、KYT(危険予知トレーニング)の部分ですね。現場ではKYTが浸透しているのですが、車両を運転するさいにも大切であるはずです。しかし運転に慣れてくるとKYTもマンネリ化しがち。そこをどうしたら緊張感を保てるのか、お知恵をお借りできればと思います。

安全手帳

チャット形式でクイズに回答。飽きのこない講習会に

経営管理本部 総務・経理室 奥田様

経営管理本部 安全推進室 奥田様

経営管理本部 安全推進室 奥田様:座学講習会は、20代前半と65歳以上をあわせた約60名を対象に、2回にわけて開催しました。内容面では、当社における具体的な事故の発生状況をお伝えし、当社独自の講習を作り込んでいただいたのが特徴です。

例えば「若手従業員が丁字路で一時停止しなかったために衝突事故を起こした」「高年齢の従業員が、高速道路での車線変更がうまくできず、走行中の車両に接触した」「東北地方の社用車が凍結路面でスリップし、ガードレールに接触してしまった」などの事故事例をお伝えしました。

そのほか、運転に際する心構えやなど、準備、またスマホ等の「ながら運転」などの事故防止のための注意事項など、当社として重点を置きたい内容もリクエストをしました。

TMSさんには、講習の内容のみならず、開催方法の点でも工夫していただきました。例えば「受講生をチャットで指名し、クイズ形式で回答させる」方式をとったことです。一般的に、講師の方が一方的に話すばかりの講習会は、受講者も気が緩み、漫然とお話を聞くだけになりがちです。でもチャットを通じて双方向のやりとりが発生すれば、受講者は最後まで内容に集中できるはずと期待しました。

おかげさまで受講者からは「とても参考になった」とポジティブな反応が返ってきています。高年齢層からは「長年染みついた運転のクセというものは自分ではなかなか気づけないものだが、受講をきっかけに見直しが必要だと感じた」、また若年層からは「講義を受けたことで、もし自分が事故を起こしたときどうなるのか』より鮮明にイメージできるようになった」といった声が、複数届いています。

安全運転講習会

WEB開催した安全運転講習会の様子

原子力バックエンド事業部 理事 河西様(以下、河西様):私が受講した感想も「非常に参考になりました」の一言です。保険料のことなど、全く答えられなかった問題もありましたが、非常によく考えられた内容だと感じました。

また、長年運転しているから身についているかと思いきや、すっかり忘れている部分もたくさんあったことが驚きです。今回受講しなければ忘れていることにすら気が付かないままだったかもしれません

交通安全は、ルールというより「文化」であるべきものだと、私は思います。誰に指示をされるまでもなく、それを守るのが「当たり前」になるまで、時間をかけて根付かせる必要がある。講習会はこれからも継続的に行うべきだと感じました。

奥田様:私が事前に心配していたのは「参加するのが面倒くさいと言われないか?」ということだったのですが、これも杞憂に終わりました。講習会を告知するとすぐに積極的な申し込みがありましたし、今回は受講の対象にならなかった従業員からも「受けてみたい」という反応がありました。今も「次はいつですか?」と問い合わせをしばしば受けています。

こうした形の安全講習は当社において初めての試みでしたが、実は以前から「交通事故を起こさないためにはどうしたらいいか、教えてほしい」という潜在ニーズが社内にはあったのだと思います。この発見を、安全推進室のこれからの啓蒙活動に生かしていきたいと思います。

ドライブレコーダーの導入などハード面からの安全対策にも期待

経営管理本部 副本部長 井原様

経営管理本部 副本部長 井原様

──より一層のパートナーシップ構築のため、TMSに今後期待するサービスはありますか。

経営管理本部 副本部長 井原様(以下、井原様):若年層はまだまだ運転技術が未熟ですし、長年の運転経験がある高齢者層も、自分の技術を過信している人が多い印象です。座学講習会に限らず、これからも当社の車両事故軽減活動にご協力を願えればと思います。

例えば、ハード面からのサポートです。ドライブレコーダーを用いて記録された事故映像を分析する、運転者の技量を判断するなど、ご相談したいと思います。

車両管理という意味では、運転日報をもっと簡単に作成できないかと検討しているところです。

現在は表計算ソフトで手入力をしているのですが、入力漏れがないようにドライビングデータと連動させて自動入力ができないか、ウェブ上ですぐに確認できないかなど、改善の余地があると思っています。

今年はアルコールチェックの義務化拡大や、バックカメラ装着の義務化など車両管理に影響する法改正もありました。これまでもリース車両はほぼTMSさんにお任せしていた当社ですが、これからも全面的なサポートをよろしくお願いします。

(取材・執筆:東 雄介 編集:桐生 幹太 撮影:土方 翔太)

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