• クルマニュース
  • 2026.11.04

「本社でまとめて管理」だけでは不十分?
安全運転管理者の選任ルールと役割分担

「安全運転管理者って何をする人?」
「営業所が複数あるけれど、本社でまとめて管理すればいい?」
「アルコールチェックはしているけれど、今の運用で大丈夫?」

社用車をご利用の企業さまにはこうした疑問も
多いのではないでしょうか。特に拠点が複数ある場合は、
本社の車両管理者と各拠点に置く安全運転管理者の役割が混同されがちです。

そこで今回は、このような疑問をお持ちの管理者様に向けて
「安全運転管理者の選任ルールと役割分担」を中心に解説します。


「車両管理者」と「安全運転管理者」は別の役割

社用車を複数台使う企業さまの多くで「車両管理者」が置かれているかと思います。
車検や点検の手配、社内ルールの整備などを行う、会社が決めた役割です。
一方、「安全運転管理者」は道路交通法で定められた役割です。両者の違いをまとめると下の表のようになります。

車両管理者 安全運転管理者
役割 会社で決められた役割 道路交通法で決められた役割
担当範囲 企業が定める管理範囲 選任された自動車の使用の本拠
主な仕事 車検・点検の手配、社内ルールの整備など アルコールチェック、運転者の状況把握、安全運転指導など


つまり、本社に車両管理者がいても安全運転管理者を置いたことにはならず、
選任基準に当てはまる拠点には、車両管理者とは別に安全運転管理者の選任が必要です。
なお、本社自体が選任基準に当てはまる場合は本社にも安全運転管理者が必要で、要件を満たした車両管理者が務めるケースもあります。

安全運転管理者の選任は、「拠点ごと」で判定

安全運転管理者の選任が必要かどうかは、拠点ごとの台数で決まります。
原則として、乗車定員10人以下の社用車を5台以上使用する拠点では、安全運転管理者の選任が必要です。
たとえば乗車定員10人以下の社用車が12台ある場合、A支店に8台、B支店に4台という配置なら、
選任が必要なのは基準となる5台を超えているA支店。5台未満のB支店は現時点では対象外です。


会社全体で乗用車(乗車定員10人以下)を12台保有していても、この場合に選任が必要なのはA支店のみ。
※乗車定員11人以上のクルマは、1台から選任が必要です。
このように拠点によって選任の要否が異なるのは、以下の選任基準が設けられているためです。



安全運転管理者や副安全運転管理者になるためには、 原則20歳以上で実務経験などの要件を満たしている必要があります。
また、過去2年以内に 飲酒運転などの違反があった人は選任できない、といった欠格事項もあります。

安全運転管理者制度の概要について詳しく知りたい場合はこちら

安全運転管理者 副安全運転管理者
20歳以上
(副安全運転管理者が置かれる場合は30歳以上)
20歳以上
自動車の運転の管理に関し2年以上の実務の経験を有する者 自動車の運転の管理に関し1年以上の実務の経験を有する者


なお選任後は、15日以内に都道府県公安委員会(窓口は管轄の警察署)への届出が必要になります。
また、日々の運用で車両の台数が変わることにも注意です。たとえば、拠点間でクルマを移したり増車したりして車両が5台以上になれば
(乗車定員10人以下の乗用車の場合)、その時点で選任が必要になります。なお、運行管理者を置く自動車運送事業者など、
制度の対象外となる事業所もあります。判断に迷う場合は、管轄の警察署などに確認しましょう。

未選任には罰則あり。「知らなかった」では済みません

もし、選任が必要な拠点で安全運転管理者を置いていなかった場合は、 50万円以下の罰金となるほか、
届出を怠った場合も5万円以下の罰金が科せられます。 令和7年版「警察白書」では、
工場で大型トラックを5台以上使っていながら未選任だった会社の代表が検挙され、会社にも両罰規定が適用された事例が
紹介されています。まずは自社の拠点ごとの台数を確認しておくと安心です。


アルコールチェックだけではない、安全運転管理者の仕事

安全運転管理者の仕事というと、アルコールチェックを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし法令では運転者の状況把握から運行計画、安全運転指導まで、9つの業務が定められています。



【Point】アルコールチェックは「確認・記録・保存」までがセット



対面でアルコールチェックが難しい場合はカメラやモニター、携帯電話などの使用も可能です。
また、不在時には副安全運転管理者や補助者に確認を任せることもできますが、 あくまで管理責任は安全運転管理者にあります。

本社は「仕組みを整える」、拠点は「確実に実行する」

拠点ごとに安全運転管理者のチェックの手順や記録方法がバラバラだったりすると、
現場の負担や全社の管理レベルの差が大きくなりがちです。そこで求められるのが、 本社と拠点の役割分担です。
本社は全社共通のルールや教育の方針を整え、拠点はそれに沿って日々の業務を確実に実行していくイメージです。

本社(車両管理部門など) 各拠点(安全運転管理者)
全社方針・共通ルールの整備 点呼・酒気帯び確認など法定業務の実施
教育・研修方針の設計 運転者への日々の指導・声かけ
事故・ヒヤリハット情報の集約・分析 事故時の初期対応・報告
各拠点の運用状況の確認・改善支援 記録の作成・保存
管理ツールの全社導入 現場の課題・気づきを本社へ共有


ここで大切なのが、ルールを「定めて終わり」にしないことです。
各拠点の実施状況や ヒヤリハット情報が本社に集まり、本社は課題を見つけて改善策を全社に展開。
このサイクルがスムーズに回るように運用できれば、拠点が増えても管理の質を そろえやすくなります。
ただし、これらはあくまで企業内の管理体制の役割分担です。
各拠点の安全運転管理者に課された法定業務を本社へ移せるわけではない点には注意が必要です。

管理を「視える化」して、続けられる運用に

安全運転管理者を選任して必要な業務を行うことは、ゴールではなくスタートです。拠点や台数が増えるほど、
紙や表計算ソフトでの管理では「誰が未実施か分からない」 「記録を探すのに時間がかかる」といった問題が出てきやすくなります。
そこで有効なのが、管理の「視える化」です。各拠点のチェック結果や教育の実施状況、 運転傾向などを本社で把握できれば、
課題の発見から対策、効果の確認までを継続して 回しやすくなります。
トヨタモビリティサービスでは、こうした体制づくりを支える 各種のサービスをご用意しています。


私たちがご提案したいのは、
法令を守るためだけの管理ではありません。
企業さまそれぞれの クルマの使い方に合わせて、
事故を防ぎながら手間を減らす社用車運用を両立することです。

「安全運転管理者の運用が拠点任せになっている」
「アルコールチェックの管理負荷を減らしたい」
「ヒヤリハットを全社で活かしたい」。
そんなお困りごとがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。






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